@article{oai:sgul.repo.nii.ac.jp:00002957,
 author = {葛西, 俊治},
 issue = {2},
 journal = {札幌学院大学心理学紀要, Bulletin of Faculty of Psychology Sapporo Gakuin University},
 month = {Feb},
 note = {1980年代からの暗黒舞踏手としての経験とダンスムーブメント・セラピストとしての精神科領域での経験から，「動きのない状態」３種類を，衰弱型・固着型・拮抗型として捉え，土方巽の言う衰弱体，単純な硬直やライヒの「筋肉の鎧」である固着型，そして，衝突する二つの拮抗筋肉群とともに心理的衝突（「すべきである」「すべきではない」）による「矛盾」を含む拮抗型について，舞踏と身体心理療法の観点から把握を試みた。さらに，そうした状態からの離脱について，「注意を逸らす」という関わりには，直面している「現実の切り替え」という構造があることを現象学的社会学者シュッツによる多元的現実論から把握するとともに，ロジャーズによる人間中心的アプローチから発展した「プリ・セラピー」，すなわち，「治療的なパーソナリティ変化」についてロジャーズが提言した６原則の第１原則である「心理学的接触」に至らず精神病理的なパニックなどの恐慌状態にある者を，社会的および対人的現実場面に引き戻すプリ・セラピーの中に，シュッツのいう他の現実への「リープ」の構造を見いだした。
　動きの流動性とは，動きの無い固着状のあり方の対極として，自然な呼吸による胸郭の動きや，茶の湯の師の佇まいの中に呼吸とともにわずかに揺れる首・頭の動きや，能の舞い手の歩みとともに揺れる首・頭の様に，動きの自然な流れを見いだせる。そうした身心のリラクセイションには矛盾構造があることが報告されている（葛西，1994他）が，この点は日本の弓道を禅師から学び「的を狙って射るのではない」という報告（1953）や，アレキサンダー・テクニックの創始者による「エンド・ゲイニングend−gaining」（1932）の指摘によって，目的的で意志的な実践方法が逆効果である点は古くから知られている。これは，現象学的エポケーのように「私」をどのようにして相対化していくかという，心身のあり方についての高次の「自己実現的」な制御方法として，あらためて身心の実際によって超え出ていくべきことである。, In butoh dance training and dance movement therapy programs in mental clinics, three types of motionlessness often occur due to 1) the low energy state, 2) the simple body fixation, and 3) the antagonistic rivalry. The muscular armor found by W. Reich and the catatonic state belongs to the second or the third type, and are keys to deepen one's own body-mind perception for butoh dance and psychotherapy. Attention distraction or “leaping” in terms of multiple reality theory by A. Schutz or the pre-therapy intervention for acute mental confusion functions to change the perceived reality for creative butoh performance or therapeutic intervention. Movement fluidity or smoothness against the body-mind fixation is important, but the intention to relax works as a dysfunction and destroys its purpose as in“end gaining” shown in Alexander Technique. The necessity of self-relativization was pointed out beyond the simple framework of cause and effect., Bulletin, 研究ノート, Research Note},
 pages = {49--57},
 title = {舞踏ダンスおよびダンスムーブメント・セラピーにおける緊張状態と動きの流動性},
 volume = {1},
 year = {2019}
}