{"created":"2023-06-26T10:48:41.407154+00:00","id":3016,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"569b805f-ab3c-452f-acda-54f712566f2a"},"_deposit":{"created_by":11,"id":"3016","owners":[11],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3016"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:sgul.repo.nii.ac.jp:00003016","sets":["37:347"]},"author_link":["82"],"item_4_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2019-11-30","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicIssueNumber":"15","bibliographicPageEnd":"72","bibliographicPageStart":"1","bibliographic_titles":[{"bibliographic_title":"札幌学院大学経済論集","bibliographic_titleLang":"ja"},{"bibliographic_title":"Sapporo Gakuin University Review of 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』において,アクィナスは,君主の職務として最大のものとして,共通善(公共善,すなわち共通の利益)の実現を示している。この共通善を実現するのが君主であり,私的な利益のために行動し公共善を蔑ろにする者は僭主であると規定している。その著作では,この公共善を実現する君主の徳性が説かれている。またエラスムスの『キリスト者の君主の教育』においては,君主(あるいは王)が一人で支配する国家をプラトンと同様に理想として,君主は公共善(市民の幸福)を実現するように全身全霊を尽くすことを説いている。エラスムスは,このことを実現する王にはどのような気質を備えあれているのが必須であるか,またそのような気質をもった王を如何に育むかとういう君主の教育論を展開している。アクィナスもエラスムスも,多少,実際の僭主には言及してはいるが,しかし,マキャヴェルリの言うよう²な,現実の新しい君主(必ずしも共通善を実現することを職務としない君主)の行動を分析してはいない。どちらかというと,アクィナスの君主統治論もエラスムスの君主論も,君主の鑑,すなわち君主としての雛形,模範,モデル,更には君主の気概(気質)を示し,現実の王(統治者)に反省を促し,現世の王を理想の王に育てる教科書(道徳書)の域を完全には脱してはいない。\n 本稿は,中世ヨーロッパの知識人が支配者として暗黙に前提とした君主による支配(政治)体制のみならず,近代社会(フランス革命以後の社会)では常識になっている民主制をも含めた政治体制(国制)について考察する。その際に,国を構成する市民(国民)が生活する条件(経済的条件)を充たし,その上で,善く生きるために国家をなすと想定する。この稿では,アリストテレスの『政治学』を典拠として支配体制の有り様を考察する。\n 本稿は,二つの節から構成される。第1節では,共同体とその類型について考察するが,その1.1 では共同体について,家段階での獲得術(あるいは生産技術)と自足均衡,村段階での獲得術(あるいは生産技術)と自足均衡そしてポリス段階での獲得術(あるいは生産技術)と自足均衡,1.2 では共同体の二つの類例について概観する。第2節では,共同体での統治について考察するが,2.1 では,共同体統治の意味,すなわち,家の統治,家政術,獲得術,取財術:不健全な取財術が考察され,2.2 では,国民と国制について調べるが,古代ギリシャにおける国民の範囲,善き国民の徳は善き人間の徳に一致するか,国民と国制の関係,国制は一つかそれとも多数あるか,国とはどのようなものか,主権者はだれか,支配者(統治者)になるのは誰,そして統治者の問題について検討する。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_4_description_40":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"Bulletin","subitem_description_language":"en","subitem_description_type":"Other"}]},"item_4_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"論文","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Other"},{"subitem_description":"Article","subitem_description_language":"en","subitem_description_type":"Other"}]},"item_4_publisher_33":{"attribute_name":"出版者","attribute_value_mlt":[{"subitem_publisher":"札幌学院大学総合研究所","subitem_publisher_language":"ja"},{"subitem_publisher":"Research Institute of Sapporo Gakuin 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